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研究紹介

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音場再現
音場再現とは,文字通り音空間(音場)を再現する技術です. この技術を用いることにより,音を再生する室内の反射や残響などの部屋の特性や,音の状態を制御することにより,ある場所の音空間を全く別の部屋で再現することができます. 当研究室ではこのような音場再現システムを,複数のスピーカを用いて構築することを目指しています.

音場再現システムが従来のステレオ再生や5.1チャネルのマルチスピーカシステムと大きく異なるのは,先に述べたとおり,「再生する室内の音の伝達特性を考慮する」点にあります. このため,コンサートホール等,元の再現したい音場(原音場)の持つ反射・残響特性などの空間的情報をリスニングルーム(再現音場)において忠実に再現することが出来ます. また,実際の音空間の再現だけでなく,完全にバーチャルな音空間を作り出すことが可能になります.

一方,再現音場の音の伝達特性はさまざまな要因により,容易に変化してしまいます.このため,音の伝達特性の変動に対処しないと再生音の品質が劣化するという問題があります.当研究室では,受聴者から離れた位置に配置されたセンサによって室内の変動状態を推定し,それに応じた制御フィルタを更新する方法を確立することにより,受聴環境の変化の影響を適応的に補正する音場再現システムの実現を目指します.


仮想音源合成
音場再現が音の再現に関するシステム的な立場であるとすれば,仮想音源合成はそのためのメディアコンテンツ生成法とも位置づけることができると思います.

仮想音源合成とは,人間の聴覚特性を利用し,その場所に音源がない状態であるにもかかわらず,ある任意の位置からの音像をユーザに知覚させる技術です. 仮想音源合成の本質は,任意の位置に知覚させたい音に対し,頭部伝達関数(head related transfer function: HRTF)による空間的情報を付加させることにあります. HRTFとは,無響状態の空間で収録された任意の位置からユーザの耳元までの音響伝達関数のことです. HRTFは音源の位置が変わるとその特性が変わってしまうため,あらゆる音源位置を想定するためには膨大な量のHRTFデータが必要となります.

当研究室では,任意の音源位置のHRTFを有限個のHRTFから推定・合成し,これらを用いてさまざまな反射特性を有する空間を想定した仮想音源合成を目指します.また,想定した空間において,位置が変わらない固定の仮想音源のみならず,任意の軌跡を描いて移動する仮想音源合成法にも取り組んでいます.


音環境に即した音声強調
上記音場再現システムや仮想音源合成にあたっては,そもそも人間がどのように音を知覚し,あるいはそこからどのようにして情報を得ているのかということに関する知識が重要です. 同時に,マシンを介した人間同士の音声コミュニケーションや人間とマシンの音声による情報のやり取りを快適に実現するためには,人間の音環境理解の仕組みを取り入れたり,マシン独自の音環境理解のシステムを構築する必要があります.

当研究室では,周囲が静かでない環境においてユーザの音声をマシンに不足なく伝えるための音声強調に関する研究に取り組んでいます.


音空間の測定


個別音像生成

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